人生というものが、生きて死ぬという一方向のものではなく、月の満ち欠けのように生きて死ぬを繰り返す循環のようなものである、と信じざるを得ない状況になったとき、自分はどのような振る舞いをできるだろうか。
また、この世の道理や摂理を超えて命を繰り返す、といったほどに会いたい人がいるという気持ちの強さはどれほどのものなのだろうか。また、そのために生を受けたと感じたとき、人生の目的といったものを感じたときの感動とは如何ほどなのだろう。
この世に生を受けた意味、何を目的にするのかは自分はしばしば見失ってしまう。
瑠璃も玻璃も照てらせば光る
このことわざをキーにし、姿が変わっても自分はここにいるという存在証明を繰り返す。三角と瑠璃の最初の出会いから、最後に出会うまで 33 年の年月が経過する。それほど会いたいと思えた相手に出会えた瞬間の感動は自分は感じることはできないが、想像することはできる。
話の中では度々短歌が現れる。短歌はお互いを知る合言葉にも、お互いを深く知ることができるようになったと知ることが出来たと思えるツールとしても表現される。
美しい言葉を知る、美しい話を知る、どれも素晴らしいことだなと感じる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2022年7月25日
- 読了日 : 2022年7月18日
- 本棚登録日 : 2022年7月25日
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