響きと怒り (下) (岩波文庫)

  • 岩波書店 (2007年1月16日発売)
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本棚登録 : 311
感想 : 23
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第一章を読み終えることができるかどうかが、本書を読了することができるかどううかを決めるだろう。人間の意識の流れをリアルに文章化するという試みであり、これほど読みいくい文章を他に知らない。頁内で数回という頻度で時代と場面が変換する。巻末の場面転換表と解説を見ながらでなくては全く理解できないと思う。しかし、この第一章こそが本書の最重要部分であることが読了後にわかる。
二章以降は、「アブサロム、アブサロム!」「八月の光」に比べると非常に読みやすい。これは原文がわかりやすいのか、翻訳がうまいのかはわからない。個人的には、代表作三作では「八月の光」が一番好きだが、本書も傑作だと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年4月21日
読了日 : 2016年4月21日
本棚登録日 : 2016年4月21日

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