大災害から復活する日本

著者 :
  • 徳間書店 (2011年6月30日発売)
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新刊書が出るたびに読むようにしている著者は何人かいますが、その中の一人に挙げられるのが副島氏です。彼の本を読み続けて10年以上になりますが、彼が日本経済や資産運用について予想したことは私の知る限りすべて当たっています。

大震災の復興のために多くの資金が必要で、そのためには消費税の増税が必要だという議論が当たり前のようにされていますが、その中で、なぜ誰も200兆円以上保有している米国債を売ることを言わないのか不思議に思っていました。

確かに、かつてそれを言っただけでクビになった首相がいたので、圧力はかかるのでしょうが、今回のような未曽有の危機に対してもそれが議論にさえならないのは悲しく思っていました。

それについて、副島氏はコメントしてくれていました。3月17日の日米秘密会議で米国債は売らないと決まったそうです、見返りに核の最先端技術と復興国債(50兆円)をアメリカが引き受ける形(実際は中国・上海閥が購入)にするそうです(p40、106)。

さらに、金価格はまだ上場する、復興需要のあとインフレがくるので、そろそろ現金から株式等の実物資産へ資産の一部を移すべし、など有益なアドバイスは実行していこうと思いました。

以下は気になったポイントです。

・しばらくは現金が強い時代が続くが、2013年からはインフレの恐ろしさ(日銀が資金を過剰に出しすぎた)が出てくる、2014年からは預金封鎖の問題(1家族:500万円まで)が出てくる(p21)

・戦前から現在にかけて、物価は4000~1万倍になった、昭和初期には、新聞代(月1円、現在4000円)、銭湯代(5銭、450円)、床屋代(50銭、3000円)(p24)

・2002年7月から半年間、東電の原発15基がすべて止められても日本の電力は足りた、バーレーン・オマーンから日本はアメリカの代わりに5000億円分の天然ガスを購入した(p30)

・最高支配者(David ロックフェラーとヒラリー等)だけが3月15日時点で原発はそれ以上悪化しないことを知って株価は3月18日から戻し始めた(p56)

・打撃を受けてはいけなかったのは、茨城県の「ひたちなか市」と鹿島の臨海工業地帯であったが、被害は少なく応援社員が駆けつけて復旧した(p66)

・日本の生産力は輸出大企業である1200社が支えている、トヨタと松下がそれぞれ1割ずつを支えている、労働人口:6000万人の3分の1(2000万人)が懸命に働いている(p68)

・復興資金の30兆円のうち、10兆円ずつをアメリカとフランスが「放射能除去代」として持ち去るので、国内に回るのは10兆円(p69)

・日本の銀行は、三井住友(ロスチャイルド)と三菱(ロックフェラー)に統合されていく、三井が5兆円くらいで「みずほ」を、三菱は「りそな」を2兆円くらいで合体する(p75)

・シンガポールや香港に自分で口座を作って置いておくのが良い、シティバンクはダメ、香港上海銀行(HSBC)かスタンダード・チャータード銀行が推奨(p96)

・米国PIMCOのビル・グロース氏は、運用する世界最大の債権ファンドから米国債をすべて処分、ウォーレン・バフェット氏は短期間の再建にシフト(p128)

・大衆の資金が投機市場に回ってそれが成功し続けることはあり得ない、なので米国ヘッジファンドはダメになった、これに対して欧州ヘッジファンドは生き残る(p132)

・個人向け国債を個人が買ったら、5年後には大損する、戦時国債と同じ、今度発行される復興債(20兆円)も買うべきでない(p155)

・ユーロ通貨は何があっても壊れない、これはヨーロッパの団結の象徴だから(p168)

・日本海の波は穏やかであり、日本の生産設備は日本海側に移っていく可能性がある、江戸時代には日本海側の回船である「北前船」が栄えた(p172)

・福島原発での放射性物質の全放出量は、西村教授によれば、初めの2週間の全量=140テラベクレル(但し、保安院は37万、原子力安全委員会は63万テラと推)で、チェルノブイリ事故(167万テラベクレル)の最大見積りで1000分の1(p214、236)

・原子力安全、保安院の保安要員である監督官8名は全員が現場から逃げた、東電の正社員100名が辞表を出していなくなった事実も明らかになってきた(p223)

・復興推奨銘柄:・五洋建設(土木企業、浚渫(河川の泥を捨てる))、汚水処理の会社として、東レ、旭化成、クボタ、日東電工、東海カーボン等、三菱自動車の電気自動車技術もすごい(p195、252~)

2011/7/3作成

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2011年7月10日
読了日 : 2011年7月3日
本棚登録日 : 2011年7月10日

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