科学は、どこまで進化しているか(祥伝社新書) (祥伝社新書 430)

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  • 祥伝社 (2015年8月3日発売)
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2018GWの大掃除で部屋の隅から発掘された本で、今年初めに読破していた本の様です。2003年に発行されたものに加筆されたもので、出版は2015年のもので、その時代のものまでカバーされています。

以下は気になったポイントです。

・まず生命を作る材料である、炭素・酸素などの重元素の塊が、岩石成分となって表面に剥き出しになっている必要がある、大きい惑星では、水素とヘリウムを主体としたガスに厚く包まれていて炭素の化合物である有機体はつくれない、次に重元素が反応して化合物をつくるには、岩石が風化されてガスや塵状になっている必要がある、そして風化作用が起きるには、表面に大気と水の存在が必要、元素が水に溶け込むことで化学反応が起きる、表面でエネルギーを吸収して水蒸気になって上昇、上空で水に戻ってエネルギーを宇宙に捨てて戻る循環運動をする、温室効果ガスである二酸化炭素を吸収して大気を浄化している(p47)

・火星には大量の水があったが、質量が地球の8分の1しかないので、水蒸気が火星の重力を振り切って逃げてしまった。地下には、まだ水は残っている(p49)
・スペースシャトルが2011年をもって打ち上げ中止になったのは、経費が膨らんで、使い捨てロケット路線に戻って、ロシアのロケットを借りている。軍事衛星、通信衛星は自前のロケットで打ち上げている(p55)

・冥王星が惑星から外されたのは2006年、惑星の定義は、1)太陽中心を回っている、2)ほぼ球形の天体、3)軌道領域にほかの天体は存在していない、4)衛星ではない(p93)

・太陽からの距離が水を保つのにちょうどよく、大気や水蒸気が逃げないくらい重い地球のみが、広大な海に水を保ち、大気も残った。二酸化炭素の温室効果により、地球の寒冷化をふせいで原始的生命が生まれた(p95)

・18世紀の産業革命は、熱エネルギーろ利用した蒸気機関の発明に代表されるが、その背景には燃料源が木材から石炭に代わるにともない、炭鉱の排水をいかに効率に行うかの切実な要求があった(p117)

・地球上で記載されている種は、約300万種で、未確認のものはその10倍はあるだろうと考えられている。化石の記録から調べると、地球上に出現した種の、99.9%が絶滅したと見積もられている(p152)

・恐竜の絶滅のおかげで、それまで夜間にこそこそ餌アサリをしていた、リスくらいのサイズの哺乳類が開いた生態系に進出、ホモサピエンスへの道を歩みだした、隕石激突という偶然によって私達人類は生きている(p156)
・2300万年前になると高等なサルである類人猿は多くの種類にわかれたが、1000万年前頃、激しい気候変動によって寒冷乾燥下で多くのサルは絶滅、かろうじて生き残った類人猿は、アジアのオランウータン、テナガザル、アフリカのチンパンジー、ゴリラ、そして人類へ進化したグループのみ(p162)

・約2万年前に、南アジアから移動してきた人々が、原日本人であり、アイヌや縄文人の人々の祖先と想像される(p184)

・人類が飢餓の恐れなしに生きれるようになったのは、農業生産を組織的に行うようになった、この2000年足らず、5万年の歴史をもつホモサピエンスの歴史の殆どは、飢えとの闘いであった(p202)

・人体は60兆個の細胞から成り立っているが、その出発点は受精した卵細胞である、これが43回分裂することで、60兆個の細胞になる(p222)

・iPS細胞とは、通常の体細胞に4つの遺伝子を挿入した培養すると、細胞核に含まれるDNAすべてが活性化して幹細胞とすることができるもので、卵細胞を使わない、画期的な技術である(p224)

・日本にはフランスから返還されたプルトニウムが10トンあり、どう使うかも問題となっている、そこでプルトニウムを通常の原発で燃やそうという、プルサーマル計画が持ち上がった。通常の熱(サーマル)核分裂反応につかう(p239)

・超高速は、物質の質量やエネルギーが虚数となり、私達が扱っている実数と矛盾するので、超高速は存在することが禁じられていると考えるべき(p267)

2018年6月17日作成

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 環境・エネルギー・気候・学術
感想投稿日 : 2018年5月5日
読了日 : 2018年6月17日
本棚登録日 : 2018年1月7日

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