図解入門よくわかる最新電気自動車の基本と仕組み (How-nual図解入門Visual Guide Book)

著者 :
  • 秀和システム (2011年2月17日発売)
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感想 : 4
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電気自動車といっても、人によってイメージするものは異なると思います。かなり出回っているハイブリッド車もモータ駆動なので電気自動車の一種ですし、昨年から販売されているエンジンのない自動車も電気自動車でしょう。

私は自動車関連部品の会社に勤めているのですが、駆動系が担当なので、現在市場にある電気自動車では影響が出ませんが、この本でも開設されている「インホイールモータ」形式になると駆動系の部品が不要になるので深刻なことになります。

問題なのはそれがいつの時点でやってくるかで、それは乗用車だけにとどまるのか、商用車系まで普及するかという点にあります。
あと会社に勤務するのは13年足らず、これからどのような変化が起きるのだろうかと思いをめぐらした本でした。

以下は気になったポイントです。

・希土類元素は中国で安価に産出されるので世界の97%が中国に偏っているが、埋蔵量では3割程度、希土類元素のネオジムを使った永久磁石がネオジム磁石で日本人の発明(p48)

・ネオジム磁石は120度以上の高温では磁力を失うので、ジスプロシウムを添加することで高温での使用を可能にしている(p58)

・リチウムイオン電池の特徴として、バッテリーの最小単位である1セルの電圧の高さ(4.2ボルト)で鉛電池(2ボルト)の倍以上が可能(p62)

・三菱自動車の i-MiEVは、88セルのバッテリーを使って330ボルトの電圧、日産リーフは、4x48=192セルで、360ボルトを得ている、テスラロードスターは、6831本を使用する(p70)

・夜間電力は2種類あって、「おトクなナイト8:午後11~午前7時までが夜間:9.17円、昼間:28円」と、「おトクなナイト10:午後10~午前8時までが夜間:9.48、昼間:30円」がある(p91)

・インホイールモータ方式でも、減速装置を備えている例(ギヤリダクション方式)がある(p112)

・パワーステアリングは、エンジンの力を利用して油圧ポンプを動かして、油圧でハンドル操作の補助力を出す方式だが、電気自動車では電動パワーステアリングとなる(p124)

・冷房時において、コンプレッサーを回すときに、エンジン自動車ではエンジンの回転を活用するが、電気自動車では駆動用バッテリー電気を使ってコンプレッサー用のモーターを回す(p160)

・暖房時において、エンジン自動車であればエンジンを冷やすための冷却水があり、これがラジエーターで冷やされて熱い湯を使って室内へ導いて暖房になる、電気自動車では電気で湯を沸かして利用する(p160)

・電気自動車では空気を暖めるのではなく、体を直接温めるシートヒータを使って消費電力を抑える考え方もある(p162)

2011/6/5作成

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 自動車
感想投稿日 : 2011年7月12日
読了日 : 2011年6月5日
本棚登録日 : 2011年7月12日

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