「感情の整理」が上手い人下手な人―感情コントロールで自分が変わる (WIDE SHINSHO)(新講社ワイド新書)
- 新講社 (2007年11月22日発売)
物心がついたときから課題(解決すべき問題)だと認識しているものの一つに「感情の制御=整理」があります。言葉にする前には必ず、自分の中で感情が発生して、それをどうするかが判断されていると思います。言葉にしてから後悔するのは、自分がコントロールできない証拠なのでしょう。
この本は今までにも何冊も読ませてもらっている和田氏によって書かれたもので、「自分の感情を制御することで、人間関係にも強くなる」というメッセージが発信されています。
自分の感情を制御することは、公私にわたり重要なスキルと認識しますので、この本に書かれている内容を参考にして、自分に合ったやり方を確立したいと思いました。
以下は気になったポイントです。
・地位や実力が備わった人間が不機嫌になるのは、自分を脅かす人間が台頭してきたとき、メンツや対面にこだわるとき、それまでのやり方が通用しなくなる時である(p21)
・機嫌のいい人は「自己愛=自分を愛する気持ち」が満たされている、それは人間関係が上手くいっている証拠(p45)
・不機嫌な父親にならないためには、気の進まない家族サービスは、はっきりと断るべき(p55)
・思っていることを口にできない関係を身近な世界に持ち込んでしまったら、不機嫌な生活から縁を切ることは不可能、一度我慢してしまえば、二度目からは了解事項となる(p63)
・感情の老化が起きない老人は、自分に非があればあっさり認めること、相手がどんな人間であってもということがポイント(p68)
・1週間に3つの楽しい予定を入れると、残りの4日間も楽しくなる、不機嫌な人の毎日に欠けているのは、こういった楽しみの種である(p75)
・機嫌のいい人は、小さなことでもそれをやり遂げた時に自分を褒めることができる(p77)
・他人を嫉妬したり恨んだりする人間は、たいていの場合、自分では何もしていないことが多い、テーマや目標を見据えてその実現に努力する気持ち(自分自身の世界)を見つめる気持ちが無いから他人に嫉妬する(p85)
・早朝に飲む一杯のコーヒーに幸せを感じる場合、それを家の中のどんな場所で飲むか、どんなカップで飲むか、飲む前には何を終わらせておくか、飲むときにどんな音楽や読書をするかがわかっている(p101)
・心の黄色信号のチェックポイントとして、1)思い込みが確信になってしまい、聞く耳を持たない状態になる、2)完全主義(p114)
・自分の考え方がしっかりしていれば、いろいろな人間と意見が合ったり合わなかったりするのも当然、相手の意見にうなずくこともある、二分割思考は柔軟性がなくなり危険(p120)
・忘れ上手な人は、ふだんの生活の中に気持ちの良い時間をたくさん持っている人、身近な人間関係に恵まれて好きな世界を持っている人は、いやな感情が生まれてもすぐに忘れられる(p127)
・勉強でもスポーツでも褒められて自信を持った子供は積極的になるので、その子の能力はどんどんアップする。この原則は大人も同じ(p132)
・一番大切にしたいのは朝の気分、スッキリと目覚めた朝の気分は、新鮮で活力に満ちている(p135)
・たまの遊びも結構だが、感情生活の充実をめざすのであれば、連夜のアルコールよりも毎朝のさわやかな目覚めのほうがはるかに効果的(p137)
・自分を信じるとは、まず自分の中の成長願望を素直に信じること(p143)
・感情コントロールに欠かせない能力として「メタ認知」がある、それを高めるための習慣として、1)自分の心の状態チェック、2)知らないこと、できないこと、をはっきりと区分すること(p151)
・機嫌のいい人の魅力は、その人と一緒にいるうちに、いつのまにか自分の素直な成長願望を受け入れるようになること、ものごとを肯定的に受け止め、どういう事態にも朗らかな気持ちを失わない生き方がそても清々しいと感じる(p154)
・EQ(対人関係や感情のコントロール能力に重点を置いた知能の考え方)は、20代よりも40代のほうが高いことは分かっているが、それも40代半ばまでで、後半にはEQの低下が始まる、その原因は脳の老化、老人にしばしば見られる「人嫌い」の現象の元となる前頭葉の老化が、40代後半から始まる(p169)
・EQには5つの能力がある、1)自分の感情を正確に知る、2)感情をコントロールできる、3)客観的にものごとを考え、自己を動機づけられる、4)相手の感情を知る、5)社交能力、40代後半から4,5の能力が低下する人が出てくる(p171)
・より良い人間関係をつくるには、どういう相手に対しても、ほどほどの距離を置くこと(p184)
2012年7月15日作成
- 感想投稿日 : 2012年7月15日
- 読了日 : 2012年7月15日
- 本棚登録日 : 2012年7月15日
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