『開かせていただき光栄です』続編。
外科医で解剖学の先駆者、ダニエル・バートンの解剖学教室を舞台に起きた連続殺人事件から5年。
愛弟子のエドとナイジェルが出奔し、解剖学教室は閉鎖中。元弟子たちもそれぞれの生活を送りながらも、変わらず先生を敬愛している。
ある日、盲目の治安判事として知られるジョン・フィールディング卿の元に、胸に暗号を刻まれた“天使の屍体”の情報が舞い込む。
調査のため、そしてバートン先生に屍体を提供すべく現地に向かった元弟子たちが発見したのは、消息不明になっていたナイジェルの屍体だった…
前作のラストのほろ苦さを思い出しながら読み始めたら、登場人物紹介リストの筆頭は「ジョン・フィールディング」となっていて、軽くびっくり。
「バートン先生と愛すべき弟子たち」のシリーズとばかり思っていたんだけど、実は「盲目の判事ジョンと男装の令嬢アン」シリーズだったのかぁ。
またまた屍体が増えたり消えたり、暗号に導かれてナイジェルの過去や、幻の楽器にまつわる悲劇、過去のスキャンダル…と、複雑に物語は交錯。
登場人物が多すぎる…!
そして、前作のようにクスッと笑える場面がほとんどなく、腐敗しきった権力者たちがさらにおぞましく、何人もの悲劇がただ重く、やるせない。
もうさすがに続編はない…んでしょうね。
バートン先生、さびしいねぇ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリ&警察もの・国内作家
- 感想投稿日 : 2021年5月3日
- 読了日 : 2021年5月2日
- 本棚登録日 : 2019年6月26日
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