第一作の「星たちの栞」から、「海-」「庭-」「雲-」の4冊でシリーズの中心となる時間を描き、「空-」で弓子の幼かった頃へと遡り、そして本作では「雲」で悠生と共に生きてゆくことを決めた弓子のさらにその先へと時間を経た後日譚となる六編。
いやもう、またいちいち泣かされます。
最後におかれた「 小さな折り紙 」では、弓子と悠生の息子の佑くんが登場!
弓子もかつて通っていた、あけぼの保育園が舞台。
佑くんの優しさ健やかさが、両親の愛情をたっぷり受けている幸福を感じさせる一方で、その頃既に母を亡くしていた弓子を思うと…
そして「小さな折り紙」のエピソード。もう、言葉にならない。
でも、もう大丈夫。
弓子も三日月堂も、沢山の理解者に支えられて、もうしっかり根を張って、ぐんぐん幸福な枝葉を伸ばしてるから。
あぁ、良かったよかった。
シリーズを通して、誰も彼もが良き理解者、新しい試みはどれも大成功、ひとつも悪い汚い障害に遭わないことが、夢物語すぎる、甘すぎると感じる人もいるかもしれないけれど…
素直に心が洗われるに任せて、読んだあと、世界が綺麗に見えるような物語も、やっぱりいいのです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
国内作家
- 感想投稿日 : 2020年7月16日
- 読了日 : 2020年7月15日
- 本棚登録日 : 2020年1月7日
みんなの感想をみる