世界史概観(上) (岩波新書)

  • 岩波書店 (1966年6月20日発売)
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感想 : 22
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ハーバート・ジョージ・ウェルズの『世界史概観(上)』
H・G・ウェルズは、ヴェルヌと双璧をなすSF小説の大家である。
SF小説というものをつくった人だとも言われる。


この本は、この出版当時1866年(英語版)で白人至上主義の気が強い中、欧米のみではなく中東から中国圏に至るまでの歴史を意図して書かれてある稀有な書と言える。



欧米のみの過去の時事を知っても真の意味で世界の歴史を理解したことにはならない。

歴史とは、さまざまな国と国が影響を及ぼし合っている最中で生まれるドラマであって、決して一国や一地域の中で独立して作られるものではないからだ。


そもそもの歴史という言葉の真の意味を、そう言った全体性を持たせたものとして使いたいところだ。


ウェルズのこの世界通史に見られる特徴としてはまさにそのところであり、世界をなるだけ俯瞰してみようとするところが見て取れる。

また、ウェルズの文章には出来るだけ歴史の中で、できるだけ事実のみを浮き彫りにし、
そこに対してウェルズ自身の解釈をあてていくというようスタンスが感じられ、子気味良い。

歴史は知れば知るほど面白くなる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2019年1月30日
読了日 : 2019年1月29日
本棚登録日 : 2019年1月29日

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