<上下巻を通してのレビュー>
紀元前三世紀――戦国の世が終わろうとし、新しい時代の到来が予感されていながらも、いまだその方法が模索されていたとき、一人の天才が現れた。
政治における「理想の追求」と「現実の処理」を分離させ、現代政治学にも通じる支配体制論、命をかけてうち立てた男・韓非子。
その不朽の古典が鮮やかな解説によって、ここに蘇る。
気軽に読み始めたのですが、なかなか手ごわい本書。
韓非子の思想を理解するためには、荀子と老子も読まなくては完全把握できないであろうかと思います。
徹底した現実主義で、おそらく韓非子の思想を始皇帝が少しでも取り入れなかったら、秦による中国統一はなかったかと思われ、さらに、韓非子がもっと長生きして秦の国体を盤石にすることに力をふるっていたら、秦王朝ももっと存続できたのではないでしょうか。
韓非子のすべてを知るには物足りなく手ごわい本書。
文庫本で上下2冊じゃ仕方ないかもしれませんね。
やはり、岩波を読むしかないかもしれません。
読書状況:積読
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カテゴリ:
中国史
- 感想投稿日 : 2019年3月29日
- 本棚登録日 : 2019年3月29日
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