無常という力: 「方丈記」に学ぶ心の在り方

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  • 新潮社 (2011年11月25日発売)
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本棚登録 : 102
感想 : 12
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ブレるだのブレないだのと最近騒がしいけども、世の中は無常。たゆたってて当たり前。揺らいだっていいじゃないと、方丈記を通して福島・三春町に住む著者は言います。

揺るがない信念というと、響きは確かに良いが、それは結局のところ何かに執着するということ。特に印象深い一文は、「何事だって断定してはいけない。絶対にこうなんだという思い込みでは、これまで起きたことについてしか、解釈できない。今後どうなるかわからない世界へは、風流(中道)の力で、無情の世界を一歩一歩、歩んでいく。」のところ。
今日受けた研修もそうだったけど、とかくビジネスの世界では、いろんなフレームを使って、一方向に分かりやすくハメようとしがち。それはそれで便利なんだけど、もっと手探り感で思考して行動することのほうが大事かと思う。

「結局オレ、この方丈の庵の生活で良かったワケ?」って自問自答で締めくくられる方丈記。人生の本質を突いているからこそ、名著なのだと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2012年3月28日
読了日 : 2012年3月28日
本棚登録日 : 2012年3月20日

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