新聞『日本』に連載されていたもので、死の二日前まで綴った日記的な随筆。
壮絶な病状、病臥生活にあっても俳句を詠み、時には絵画論、時には時評、そして病状報告など。
日々の生活、町の様子、交友なども描かれます。
死に至るまで意欲的に創造活動を行い、さらに仰臥した状態で写生画も。
表現することに最期まで挑んだ子規、最後の姿。
病床六尺、これが我世界である。しかもこの六尺の病床が余には広過ぎるのである。僅かに手を延ばして畳に触れる事はあるが、蒲団の外へまで足を延ばして体をくつろぐ事も出来ない。 ー 7ページ
余は今まで禅宗のいはゆる悟りといふ事を誤解して居た。悟りといふ事は如何なる場合にも平気で死ぬる事かと思って居たのは間違ひで、悟りといふ事は如何なる場合にも平気で生きて居る事であった。 ー 43ページ
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文学
- 感想投稿日 : 2024年2月19日
- 読了日 : 2024年2月19日
- 本棚登録日 : 2024年2月13日
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