鹿島翔香。高校2年生の平凡な少女。
ある日、彼女は昨日の記憶を喪失している事に気づく。
そして、彼女の日記には、自分の筆跡で書かれた見覚えの無い文章があった。
“あなたは今、混乱している。若松くんに相談なさい・・・”
若松和彦。校内でもトップクラスの秀才。
クラスメイトの鹿島翔香に起こっている不可解な記憶の混乱を分析した彼は、翔香に告げた。
“タイプ・リープ―今の君は意識と身体が一致した時間の流れの中にいない・・・”
かなり前に話題になっていたのですが、タイムトラベルものは苦手なので敬遠しておりました。
もう10年以上前の作品になってましたかぁ。
この作品では同じ時を繰り返すことがなく、一週間の中で時を飛んでいます。
切り貼りしたフィルムをつなぎ合わせたようなもの?
そして混乱する翔香に対して常に冷静な若松という組み合わせで、まだ理解しやすかったです。
そして翔香がタイム・リープしだした原因にも説得力があり、とても綺麗にまとめてくれています。
犯人(?)はすぐにピンときましたが、ミステリではないのでまあよし。
とにかくこの整合性はとても美しい!
翔香とともに混乱しながら、先が気になって一気に読んでしまいました。
会話が多くて読みやすいということもあります。
文庫ですが、上下に分ける必要がないんじゃないかというくらい、すぐに読めてしまいました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリ(日本)
- 感想投稿日 : 2010年10月9日
- 読了日 : 2009年2月7日
- 本棚登録日 : 2010年10月9日
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