正漢字・歴史的仮名遣い。「」を使わず余白も殆どなし。という事情からだけではなく、読むのにかなり時間を要した。
まずイギリスの青年貴族エワルドの恋人ミス・アリシヤの外見が如何に完璧で、内面が如何に低俗であるかが100頁以上語られる。その後は人造人間ハダリーが如何にして人間と同じように動くかの説明が約300頁。平衡を保つのに水銀を使ったり、運動圓管のざらざらした表面に刻みつけたり、流石19世紀と思わせる古めかしさがあった。理想の女性像にも異議のあるところだが、ブルジョワに対する風刺だったのかもしれない。「私は人間を辞職する」というエワルドの台詞には笑った。
この小説を註釈も含めて読み切った事は、指輪物語の読了と同じく今後の自信となるだろう。
p421
私は人間を辞職するーー
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- 感想投稿日 : 2014年8月6日
- 読了日 : 2014年8月5日
- 本棚登録日 : 2014年8月5日
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