ギリシャの踊子 他4篇 (岩波文庫 赤 430-3)

  • 岩波書店 (1940年4月15日発売)
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感想 : 2
5

表題作の他、「アンドレーアス・タマイアーの最後の手紙」「新しい歌」「死んだガーブリエル」「レデゴンダの日記」を所収。

おそらく、私が最初に読んだシュニッツラーはこれだったと思います。
「ギリシアの踊り子」という表題(あるいは1986年当時250円という価格?)に惹かれたと記憶しています。
読み始めて、でも私は最初の「アンドレーアス……」から引き込まれてしまいました。
解説によって、作者が「醫者であり、心理學者である」ことを知って、少し合点がいったような気がします。
ウィーン世紀末、という語も連想させます。
同じく解説には、「短篇作家としてのシュニッツラーはよくモーパッサンに比較される」とありますが、どうお思いですか?
わが国では今も(おそらく)、圧倒的にモーパッサンのほうが有名でしょうね、それは何故なのでしょうか。
二人を「かりにエロチシズムの作家である」(解説より)と見るにしても、私はシュニッツラーの情趣のほうに軍配、と言いたいような気がしますけれど。
……、ああ、でもそれならば、またモーパッサンを読み返さなくてはならなくなります。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 独ドク
感想投稿日 : 2009年6月2日
読了日 : 2009年6月2日
本棚登録日 : 2009年6月2日

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