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福本 友美子
1951年東京都生まれ。公共図書館に勤めた後、児童書の研究、翻訳などで活躍している。「おさるのジョージ」シリーズ(岩波書店)、『としょかんライオン』(岩崎書店)、『ないしょのおともだち』(ほるぷ出版)、『シモンのおとしもの』(あすなろ書房)など絵本の翻訳を多く担当。編著書に『キラキラ子どもブックガイド』(共著、玉川大学出版部)などがある。
江口 絵理
1973年生まれ。阪急コミュニケーションズ(元TBSブリタニカ)勤務を経て、イギリスの出版社ブルームズベリーにインターン勤務。その後、フリーランスの編集者・ライターになる。おもな著書に「ミーアキャットの家族」「ボノボ」(そうえん社)などがある。
もう1つ図書館のいいところは、古い本も読める、ということです。本屋さんにならんでいる本は新しく出版されたものが中心で、低庫はどんどん入れかわります。けれども図書館には、もう本屋さんで買えなくなった本もちゃんとあるのです。10年前の本も、30年前の本も、100年前の本も。
わたしたちは赤ちゃんのときから、「五感」―ー見る、聞く、さわる、味わう、 においをかぐ―ーを使って自分のまわりの世界のことを感じてきました。けれども五感でわかるのは、自分が今いるその時間、その場所のことに限られています。一生の間に実際に体験できることといったら、実はほんのわずかしかありません。その限られた時間と場所をこえていく方法、それが、本を読むことです。本が、自分と知らない世界をつなげる窓になってくれるのです。「本を読む人」は、読まない人よりずっと多くの体験をし、ずっと広い世界を知っていることになるのですね。
図書館にはありとあらゆる種類の本がならんでいます。1冊1冊の中に、わたしたちがまだ知らない世界が広がっています。先日テレビドラマによく出ている人気のある俳優さんが、「最近行ったところでよかったのはどこですか?」と聞かれ、「図書館!」と答えていました。どうしてかというと、「自分の興味とちがうところでも、 なんかすごい刺激があったんで」というのです。わたしたちはふだん自分の興味あるところにばかり日を向けてしまいますが、図書館には、知らない世界へ飛びだすチャンスがいくらでもあります。本を読んで今まで知らなかったことに日を向け、新しいことに興味をもって、あなたの世界をぐんぐん広げてください。
- 感想投稿日 : 2023年11月9日
- 読了日 : 2023年11月9日
- 本棚登録日 : 2023年11月9日
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