竹の民俗誌: 日本文化の深層を探る (岩波新書 新赤版 187)

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  • 岩波書店 (1991年9月20日発売)
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岩波新書 沖浦和光 「 竹の民俗誌 」

「竹」をテーマとした民俗学的な日本文化論。アジアの竹文化圏を中心として 縄文時代まで 遡って、「竹」を使った宗教儀礼や民間伝承の共通性を見出している



南九州の先住民族「隼人」と インドネシアの南方系海洋民の共通性についての論考は、日本人六系統論や記紀神話の国譲りの意味(天津系の神による国津神征服の正当性)と併せて読むと、とても興味深い


日本文化は中国から輸入したものばかりと思ったが、アイヌ文化や南島文化に見られる神秘性と生活機能性には、海と山に囲まれて、神を祀って生きた日本人の原像を感じる




鳥居龍蔵 の日本人六源流論
*縄文文化を遺したアイヌ
*朝鮮半島から入った国津神系の固有日本人。弥生文化をもたらした
*インドネシア
*江南からインドシナ半島の苗族
*ツングース系騎馬民族
*朝鮮にいたが 帰化してきた漢人



記紀神話
*天津系の神が、土着の国津神を討って支配する
*国津神〜出雲を中心としたオオクニヌシ
*オオクニヌシは国譲りを誓う
*アマテラスはニニギを日向の高千穂に天降させた
*日向には、隼人が住んでいた
*ニニギとサクヤヒメとの間に産まれた海幸彦、山幸彦

海幸彦・山幸彦の説話は、天津系の勢力が先住民族の隼人を征服していたことを示す


南の海と深い関わりのある隼人のそ、海と山に生き、竹を愛し、その霊力を信じ、海の彼方から伝わった羽衣伝説を語り継いできた














































 















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感想投稿日 : 2024年1月31日
読了日 : 2024年1月31日
本棚登録日 : 2024年1月30日

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