余暇と祝祭 (講談社学術文庫 856)

  • 講談社 (1988年12月1日発売)
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ヨゼフピーパー 「 余暇と祝祭 」
稲垣良典 訳

余暇をスコラ哲学的に考えた本〜ゴールは キリスト教的であるが、アプローチは アリストテレス哲学により 余暇の本質を論述している。

人間が人間らしくあるためには 余暇が必要という論調。宗教から見ると、余暇は神性や超人間性であり、労働は俗物的であることに驚く。


余暇は 労働の対立概念。余暇の本質は、祝祭と同様に コンテンプラチオであるとしている。コンテンプラチオとは「日常生活を離れ、自我を抜け出て、世界をあるがままに眺め神に触れること」



余暇の定義は 抽象的で分かりにくい。余暇と同類概念、余暇の対立概念から 余暇をイメージした。
*余暇の同類概念=祝祭(祭り、礼拝)=コンテンプラチオ、知性、直観、超人間的、沈黙、安らぎ、苦労からの解放
*余暇の対立概念=労働=社会的職務、ニヒリズム、理性、人間的、活動的、苦労、実益


スコラ哲学
*人間が人間らしくあるには 人間的なものの領域を超えて、人間より上位の存在が必要
*理性は人間的なものであり、知性は人間的なものを超えている
*人間的なものを超えていくことが 人間的である
*理性(探究を重ねる過程)は労働〜知性(直観)は労働ではない


余暇とは、自分を開こうとする態度、苦労から解放。人間が 本来の自分と一致したときに 成立する




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感想投稿日 : 2020年1月6日
読了日 : 2020年1月7日
本棚登録日 : 2020年1月6日

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