浮世絵をつくった男の謎 岩佐又兵衛 (文春新書 629)

著者 :
  • 文藝春秋 (2008年4月21日発売)
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辻惟雄 岩佐又兵衛 評伝

著者の又兵衛論の総まとめ的な内容

副題「浮世絵をつくった男の謎」の通り、又兵衛を浮世絵の祖として、出自から人生をたどり、作品の謎に迫っている




絵巻「山中常盤」と 風俗画「舟木屏風」について、又兵衛作か否かの検証は面白かった。2作品とも又兵衛作という結論なのだが、「舟木屏風」は 著者のこれまでの主張を覆している


徳川と豊臣の対立構図であり、江戸時代を現す風俗図である「舟木屏風」を見てみたい。東京国立博物館にあるらしい




本の表紙になっているグロテスクな絵(常盤の悲惨な死)が印象に残る絵巻「山中常盤」は、又兵衛が 戦国大名の子として生まれながら家門が滅亡し、母の悲惨な死を目にしたことに影響したとしている。絵巻が敵討ちで終わる構造から考えると、その通りだと思う










読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年12月27日
読了日 : 2021年12月27日
本棚登録日 : 2021年12月25日

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