辻惟雄 岩佐又兵衛 評伝
著者の又兵衛論の総まとめ的な内容
副題「浮世絵をつくった男の謎」の通り、又兵衛を浮世絵の祖として、出自から人生をたどり、作品の謎に迫っている
絵巻「山中常盤」と 風俗画「舟木屏風」について、又兵衛作か否かの検証は面白かった。2作品とも又兵衛作という結論なのだが、「舟木屏風」は 著者のこれまでの主張を覆している
徳川と豊臣の対立構図であり、江戸時代を現す風俗図である「舟木屏風」を見てみたい。東京国立博物館にあるらしい
本の表紙になっているグロテスクな絵(常盤の悲惨な死)が印象に残る絵巻「山中常盤」は、又兵衛が 戦国大名の子として生まれながら家門が滅亡し、母の悲惨な死を目にしたことに影響したとしている。絵巻が敵討ちで終わる構造から考えると、その通りだと思う
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2021年12月27日
- 読了日 : 2021年12月27日
- 本棚登録日 : 2021年12月25日
みんなの感想をみる