選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子

著者 :
  • 文藝春秋 (2018年7月17日発売)
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感想 : 79
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◯テーマは出生前診断の誤診で生まれてきた子に関する裁判の経緯と、当事者の思い。正解がなく、それでいて個人の主張がハッキリと出るため、大変興味深い内容である。
◯ただ、ノンフィクションだと思って読んでいると、筆者の表現が大仰に感じることがあった。(苦海浄土の完成度を思い出す)どちらかというと、もう少し淡々とした文章の方が良いのではないかと感じた。
◯否応なく、自分がその立場に置かれたらどうするかを考えさせられる。立場的にバランスよく登場してくる人物たちそれぞれの思いが語られる。どれも否定できず、並び立つことも難しいと思わされる。
◯しかし、巻末に導き出された結論は、そういった意味では妥当性がある。技術に飲み込まれることなく、命のあり方はいつの時代も常に議論していくことが重要であり、悩み続けていくしかないのではないかと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年5月21日
読了日 : 2020年5月21日
本棚登録日 : 2020年5月11日

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