ハンチバック

著者 :
  • 文藝春秋 (2023年6月22日発売)
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本棚登録 : 7052
感想 : 819
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さらっと一時間ちょっとで読了。怒りに近いパワーが存分に練り込まれており、正直これが長編小説であれば、なかなかきつかったかも。うまく消化しきれないのは、自分の器量の狭さゆえなのかもしれない。とはいえ、読んでいて恥ずかしながら気づかされることも有り、得られるものもあった。
著者の背景があまりに露出してしまったことも有り、小説に対してシンプルな評価が難しい。肯定否定の感想を巻き起こす作品を生み出すことができたこと。そして芥川賞を受賞したこと。その事実は揺るがない。この作品に向けたパワーを次回作以降にどう反映していくのか。個人的に著者に対する評価は次回作以降に預けたい。

余談だが、紙の本が好きについてのくだりが理解できなかった。紙の本の選択は、(あくまでも個人的にではあるが)電子書籍を貶めているわけでもなく、偏った見方をされてしまっているパラドックスのように感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年11月4日
読了日 : 2023年11月4日
本棚登録日 : 2023年11月2日

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コメント 2件

傍らに珈琲を。さんのコメント
2023/11/04

チャオさん、こんにちは!
本書、賛否両論みたいですよね。
私は皆さんのレビューを拝見して、避けているかもしれません。
紙の本についてのくだりも、うっすらと存じ上げていますが、
なんだかな~な思いでした。
そうやって刺々しく相手を思っては、溝が深まるばかりだと思うんですけどね。
社会への問題定義としては、本書が発刊されたことは意味を持つと思うのですが、斜に構えた目線からは、良いことは何も生まれませんし。
…って、読んでもいない私が想像で物を言うのが一番いけませんね。
でも、思わず。

しっかり読まれて、ご自身の考えを述べられたチャオさんが立派だなぁと。

チャオさんのコメント
2023/11/04

傍らに珈琲を。さん
コメントありがとうございます。
まさにすでに読まれているような感想ですね笑
痛烈な批判も的を得ているものであれば良いとは思いますが、
やっぱり扱う内容に対して、嫌悪感を抱くようなものは、
誰が書き手であれ、配慮すべきものだと考えます。

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