黄金の少年、エメラルドの少女

  • 河出書房新社 (2012年7月7日発売)
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本棚登録 : 260
感想 : 35
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個人的には『優しさ』が一番好きです。
魏中尉は何度も何度も主人公との繋がりを、そして友情を求める。「力になろうか」「教えてよ。どうすれば幸せ。」と声をかける。しかし主人公は「私たちは友達になれない運命なんです」と突き放す。“魏中尉は他人の人生を乗っ取るには好奇心と経緯が強すぎ”と拒絶する。しかし本心では、また話す機会があればいいなと願っている。主人公が人との関係を拒絶しているのは、“愛がなければ人は幸せになれる”という考え方を持っていたからだ。孤独こそが人の幸せだと考えていたからだ。この考え方を、魏中尉は変えようとしていたのだろう。結局、二人の接点は主人公の母親の死を境になくなる。しかし、もし二人の間に友情が芽生えていたら、どうなっていたか、想像せずにはいられなかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年8月23日
読了日 : 2012年8月
本棚登録日 : 2012年8月23日

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