個人的には『優しさ』が一番好きです。
魏中尉は何度も何度も主人公との繋がりを、そして友情を求める。「力になろうか」「教えてよ。どうすれば幸せ。」と声をかける。しかし主人公は「私たちは友達になれない運命なんです」と突き放す。“魏中尉は他人の人生を乗っ取るには好奇心と経緯が強すぎ”と拒絶する。しかし本心では、また話す機会があればいいなと願っている。主人公が人との関係を拒絶しているのは、“愛がなければ人は幸せになれる”という考え方を持っていたからだ。孤独こそが人の幸せだと考えていたからだ。この考え方を、魏中尉は変えようとしていたのだろう。結局、二人の接点は主人公の母親の死を境になくなる。しかし、もし二人の間に友情が芽生えていたら、どうなっていたか、想像せずにはいられなかった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2012年8月23日
- 読了日 : 2012年8月
- 本棚登録日 : 2012年8月23日
みんなの感想をみる