仏陀が大きな教団を作る前に説いた人生の道標。
人は生まれによってバラモンとなるのでなく、行為によってバラモンとなるのである。
理法に従って道を歩む「信仰」(saddha)が大切とされる。
チュンダに語った四種の修行者の話でソクラテスやイエスの言ってたことと本質的には一致するのではないかと思いました。
「疑いを越え、苦悩を離れ、安らぎ(ニルヴァーナ)を楽しみ、貪る執念をもたず、神々と世間とを導く人、──そのような人を<道による勝者>であると目ざめた人々は説く。
この世で最高のものを最高のものであると知り、ここで法を説き判別する人、疑いを絶ち欲念に動かされない聖者を修行者たちのうちで第二の<道を説く者>と呼ぶ
みごとに説かれた<理法にかなったことば>である<道>に生き、みずから制し、落ち着いて気をつけていて、とがのないことばを奉じている人を、修行者たちのうちで第三の<道によって生きる者>と呼ぶ。
善く誓戒を守っているふりをして、ずうずうしくて、家門を汚し、傲慢で、いつわりをたくらみ、自制心なく、おしゃべりで、しかも、まじめそうにふるまう者、──かれは<道を汚す者>である。 」
輪廻の思想や、仏陀に問いかけをする神神、惑わす悪魔など、文章から見ると壮大な背後世界を全く肯定しているような気もするが…。
中村元スゲー
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
学術書
- 感想投稿日 : 2013年3月17日
- 読了日 : 2014年1月8日
- 本棚登録日 : 2013年3月17日
みんなの感想をみる