これは井上元死刑囚の側に立って書かれた本なので、この本の内容全てを100%信じて考えてはいけないとは思うんだけど、それでもやっぱりこの人は死刑で良かったのかな?と思ってしまう。
この本に書かれていないこともたくさんあって、何よりオウム事件によってたくさんの被害者が出たわけだから死刑は妥当だという意見もあるだろうけど(実際そうなったわけだし)この本を読んで、井上元死刑囚がどうしてオウムにのめりこんでいったのか、どういう気持ち考えで麻原に仕えていたのか、どういう気持ち考えで数々の事件に関与していたのか、逮捕されて裁判が行われ、麻原から離れる覚悟を決めた心の詳細などがよくわかった。
「洗脳されていたから」という一言では済まされない、麻原との深い関係やそれから起こる絶望感など、頭が良ければ良いほど、麻原から近ければ近いほど、それが強く出て逃れられないということも良くわかった。
それでもやっぱり、地下鉄サリンの実行犯でありながら、最初に供述を始めた等の理由で死刑を免れた元医者もいる中で井上元死刑囚は死刑が妥当だったのかなという疑問が残る。
ただ、最後は自宅(実家)に帰ることが出来て両親に見送ってもらうことが出来たのが幸いだったのかなと思った。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年7月18日
- 読了日 : 2019年7月1日
- 本棚登録日 : 2019年7月18日
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