岩波ジュニア新書からの出版なので、この本は中高生向けの本ということになっている。
しかし、哲学のテキストなどで参考文献として紹介されていたりして、内容的にはかなり質の高い入門書である。
特に近代から現代にかけての哲学が紹介されており、生活感覚に則した説明でわかりやすい。
「自由」というテーマで、近代以降の哲学者の紹介も、今日的な問題解決のための指針となり得るものであるし(第4章)、自己とは何かをヘーゲルとフロイトの思想から、展開する章(第5章)も哲学と生きていくことの関係を理解できる内容である。
ところで、私は入門書が好きである。
これまでに何冊もの入門書を読んだ。
入門書には、事柄の説明の他に「語り口」が学べる。
研究者の方々は、入門書を読んでわかったような顔をするのは、勘弁ならぬことかも知れないが、生活の中の必要性から考え、また他者に語らなければならない一般人には、やはり役に立つ。
ただ、入口の知識だけで全てを理解したような錯覚だけは避けたい。
謙虚な姿勢は忘れないようにしたい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
哲学
- 感想投稿日 : 2012年7月25日
- 読了日 : 2012年7月25日
- 本棚登録日 : 2012年6月18日
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