今回「必死剣鳥刺し」の映画を観るにあたって買い求めた。
「隠し剣秋風抄」もそうだけれど、物語が実に静かに綴られているところが好き。
主人公がたいていが大して禄高も高くなく、派手さもなく、ところが剣に秀でていて、それを使うときは途端にかっこいいと思えてしまう。
今回は、果し合いを申し出た旦那に代わって、果し合いをしてきた、妻の話「女人剣さざ波」
息子も娘まで剣で失った父親が最期に因縁の相手と果し合いをする。
お互いが想いを寄せていた尼に「そのように、もはや髪も白うなって、それでも行かねばなりませんか」と言われても、出向いて行き、相手を倒し最期は自害して果てる「宿命剣鬼走り」など印象深かった。
8話納められているけど、どれもがとても良かった。
人の持つ心のうち、悪の部分や、醜さや、美しさがとても共感できるし、そしてなにより昔の日本人の慎ましさが感じられる。
また「隠し剣秋風抄」を読みなおそう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
歴史、時代小説
- 感想投稿日 : 2010年7月24日
- 読了日 : 2010年7月24日
- 本棚登録日 : 2010年6月11日
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