これが鳥獣戯画でござる: 小学館あーとぶっく ニッポンのわらいの原点

著者 :
  • 小学館 (2021年4月1日発売)
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本棚登録 : 160
感想 : 19
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タイトル「これが鳥獣戯画でござる」丸っとした字体が、すんご~く好き!!

「鳥獣戯画という絵がある!」と知るための絵本。

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鳥獣戯画の甲巻をベースに、「鳥獣戯画」という作品を、絵本仕立てにして紹介した本。
「鳥獣戯画」という絵をまったく知らない人にとっては、「あることを知る」ための貴重な1冊と言えます。
知らなければ、ないのとおなじ、ですからね。

小3の娘に読み聞かせをしましたが、ページの隅にあるミニ解説まで全て読んだので、15分くらいかかってしまいました。
ただ、そこを飛ばして読めば、年長さんくらいからでも楽しめる絵本だと思います。

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それにしても、この甲巻の動物たちを形づくる飄々とした曲線…すごく好きです。
そこには「うまく描こう」「大会に出て賞をとろう」とか、そうした野心をいっさい感じず、絵を描くこと自体を楽しんでいる絵師の姿が想像できます。
ゴテゴテと細かく描きこむのではなく、すっとひかれたシンプルな線に、絵師の心の余白のようなものを感じ、絵を見ているこちらの心も、なんだかのんびりしてきます。

また本書タイトルは丸みをおびた筆文字のような字体なのですが、またこの字体がすごく好みでして、見た瞬間「この字、好きっ!」となってしまったのでした。

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「在ることを知る」ことで、人生の選択肢は広がっていきます。
知ったその先に、その道を選ぶかどうかは本人が決めることですが、その前提となる「在ることを知る」ための本は、そっと傍らに置いていきたいものだなあ…と思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 絵本・児童書
感想投稿日 : 2021年7月6日
読了日 : 2021年7月2日
本棚登録日 : 2021年7月4日

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