幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教えII

  • ダイヤモンド社 (2016年2月26日発売)
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人を愛することも、自立も、すべては「ありのままの自分」を受け入れるところから始まる。

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「幸せになる勇気」は、大ベストセラーになった「嫌われる勇気」の続編です。
もしまだ「嫌われる勇気」を読んでいない方は、そちらを読まれてから「幸せになる勇気」を手に取ることをオススメします。
なぜなら本書には「嫌われる勇気」で出てきた考え方をもとに書かれており、前書の内容の復習までできてしまうからです。

嫌われる勇気よりも内容が幅広くなっていたため、メモもかなり多くなり、読みきるまでの日数も10日ほどかかりました。
でも本書を読み終えて思ったことは、すべての原点は結局「ありのままの自分を受け入れる」ことに集約されるのだな、ということでした。

「ありのままの自分を受け入れる」ことができていれば、本当の共感は自然とできるようになり、相手を尊敬できます。
また、アドラーのとなえる“人生のタスク”(仕事、交友、愛のタスク)にも自然と向き合えるようになります。

そしてこの本は「仕事がうまくいかない」「恋人や結婚相手が見つからない」と嘆く方に特にオススメな1冊でもあります。

“仕事”とはアドラーによれば、生きるためにすべての人が直面せざるを得ないタスクであり、だからこそ仕事のタスクでは“条件つきで相手を信じる=信用”という関係があるのだそうです。
それに対して“交友”とはまず、“条件つきで相手を信じる=信用”ではなく、“無条件に相手を信じる=信頼”がもとになっているそうです。

ここを読んだとき、わたしはとてもスッキリしました。
わたしは、仕事上で知り合った人の中で友だちになった人がほとんどいませんでした。
それに対してわたしの友人は、仕事の仲間と遊び歩いていて、わたしはそんな友人をうらやましく思っていました。
そんな「仕事の仲間と友だちになれない自分」に長年、劣等感を抱いていたのですが、「幸せになる勇気」を読んだことで、わたしと友人のある違いに気づけたのです。

わたしが仕事の仲間と「信用を用いてつながっていただけ」なのに対して、友人は「信用を信頼に変化させ、仕事仲間と交友の関係を築いていた」から、仕事仲間が友だちになっていたのです。
もちろん、どちらの関係がいい、ということではありません。
わたしのように仕事は“仕事”として割り切って付き合うことの方が、性にあっているならそれでいいですし、友人のように仕事の関係のなかから、交友を見つけられる人がいたっていいのです。
わたしには友人のように、仕事から交友の関係を築くことはできませんでした。
でも、そんな生き方があってもいい。
仕事の上では、最低限おたがいに「信用」さえ築けていれば、仕事はすすめていけるんだ!仕事だけの関係があってもいいんだ!と、自信がもてたのです。


また「恋人や結婚相手が見つからない」という方は、「運命の人は、いない」(261ページ)からの内容をオススメします。

正直、そこからの内容にはとても衝撃を受け、ズタズタになってしまうかもしれません。
でも同時に、婚活がうまくいかずに悩んでいる方には、一筋の光となってくれるかもしれない内容が、そこには書かれています。


「幸せになる勇気」は、「嫌われる勇気」に比べて内容が幅広くなっており、また「嫌われる勇気」を読まれていない方にとっては、
読み終えることが難しい本です。
そのため☆は4つにしました。
わたし自身、読みきった直後は、あまりの衝撃にぼう然とし、一体自分はどこから動いたらいいのか…と途方に暮れました。

しかし書いたメモを読み返してみると、どのタスクや考え方にも、その根幹は「ありのままの自分を受け入れる」ことだと、気づけました。
つまり、「ありのままの自分を受け入れること」が、自分の幸せへの第一歩なのです。

今からでも遅くはありません。
この本から勇気をもらい、その一歩を今この時から、踏み出していきましょう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 生きること、死ぬこと
感想投稿日 : 2020年11月14日
読了日 : 2020年11月3日
本棚登録日 : 2020年10月20日

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