かんたん短歌の作り方: マスノ短歌教を信じますの

著者 :
  • 筑摩書房 (2000年12月1日発売)
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本棚登録 : 207
感想 : 38
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少女漫画雑誌「キューティ・コミック」(2001年に休刊)に連載されていた内容を1冊にまとめたもの。
のちに文庫版も出版されていますが、図書館の蔵書がこの単行本のみだったためこちらを読みました。
著者の枡野さんの似顔絵がページ下にそえられていますが、途中で髪型が変わっていて、本人の変化に忠実な似顔絵でした。

投稿された読者の短歌にアドバイスする形式ですが、毎回テンションの違う手紙を読んでいる感じでした。
そのテンションは果てしなく底のときもあれば、激しくマックスなときもあり、まさに三寒四温のように寒暖差いやテンション差がとても激しいです。
そのため内容は納得だけれど、文章の感じでは読み手を選んでしまうかもしれません。

「かんたん短歌の作り方」というタイトルなので、これを読めばあっという間に短歌が作れるようになる…!?と思いきや、短歌の奥深さ、難しさをひしひしと感じる結果になりました(苦笑)
また後半に行けば行くほど、わたしの心にグサグサ刺さる文章があふれていました。

「自分の顔に似合わない短歌は、つくらないようにしましょう。」(171ページ)
「結局、短歌に限らず文章表現の面白さっていうのは、それを書いた人間の面白さなんですね。」
「すべての人に好かれようと思ってつくった短歌は、だれにも好かれません。」(173ページ)
「『面白いことを書く』から面白いのではない、『面白く書く』から面白いのです。」(178ページ)

これは川柳にも当てはまる…!
ダウンタウンの松ちゃんの話がなぜ面白いと感じるのか?なぜすべらないのか??
それは面白くないことでも松ちゃんは面白く話せるからなんですね!
「面白いこと起きないから、面白い話にならない。面白いこと起きないのが悪いんだ!!」思考になっていたら、一生面白い話はできないんだな…とおもいました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 短歌
感想投稿日 : 2023年4月27日
読了日 : 2023年4月25日
本棚登録日 : 2023年4月18日

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