わすれられないおくりもの (評論社の児童図書館・絵本の部屋)

  • 評論社 (1986年10月1日発売)
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本棚登録 : 4113
感想 : 392
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みなさんはアナグマを見たことがありますか?
わたしはこの絵本を見るまで、アナグマのビジュアル全体をよくわかっていませんでした。
しかも「わすれられないおくりもの」のアナグマさんは、賢くてとても穏やかで、やさしいアナグマさんでした。

「アナグマは、死ぬことをおそれてはいません。死んで、からだがなくなっても、心は残ることを、知っていたからです。だから、前のように、からだがいうことをきかなくなっても、くよくよしたりしませんでした。」(引用)

心が残るとは、いったいどういうことなのでしょうか。
しかも心が残ることを知っていると、年をとってからだが動かなくなっても、くよくよしないというのですから、「心が残る」とはなんだかものすごいことのように思えます。

この絵本は小1の娘に読み聞かせをしましたが、やっぱり最初は「心が残る」ということが娘はわからなかったようで、きょとんとしていました。

しかしそんな娘も、この絵本を読み終わるころには、わたしの腕をぎゅっと引き寄せて、じーっとお話を聞いていたので、きっと「心が残る」ということのかけらを、つかめたのだと思います。

ゆっくりと余韻にひたりたくなるこの絵本。

読み終えたときには、アナグマさんの残したものがきっと、あなたの胸にも宿るにちがいありません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 絵本・児童書
感想投稿日 : 2020年3月12日
読了日 : 2020年3月11日
本棚登録日 : 2020年3月11日

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