みるなのくら (日本傑作絵本シリーズ)

  • 福音館書店 (1989年3月25日発売)
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感想 : 38
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昔々、幼い頃にどこかで聞いた昔話…
最後の蔵だけは、けっして開けぬよう言い残して、娘は出かけていった。

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道に迷った若者は、遠くに見える灯りを頼りに歩いた。
それは大きな屋敷の灯りだった。

家主の美しい娘は、親切に若者を屋敷に泊め、ごちそうをもてなしてくれた。

翌日、娘は若者に留守を頼み、出かけていく。
「屋敷にある12の蔵のうち、1~11番目まではのぞいてもよいが、12番目の蔵だけは、けっしてのぞかぬよう…」
そう言い残して。

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小2の娘に読み聞かせをしていました。
3つ目の蔵まで見たときに、「わかった!これ、1は1月、2は2月、3は3月なんだ~!」と、娘はピンときたようです。
そして「次は4月だね、なんの絵だろう?」と、絵の予想をし始めました。

旧暦での行事のせいか、想像した行事と月がズレていたり、10月12月は日本の行事よりも海外から入ってきた行事の印象がつよく、なかなか当たりませんでした(苦笑)
でも、娘と想像しあいっこしながら絵本を読むのは、たのしかったです。

わたし自身、幼い頃に「みるなのくら」の話を聞いた覚えがあるのですが、「最後の蔵だけは見ないように」という部分しか記憶がなく、今回はじめから通して読んでみて「こんな話だったのか~」と思いました。
ただ、蔵の数は13だったような気もしていて、これは「わらしべ長者」とおなじく、ちょっとちがうパターンが存在する昔話かもしれません。

表紙絵には、娘と屋敷、それに娘の背後には“鳥”が描かれています。
わたしから見ると、タイトルと絵の印象が弱く、もったいない気もしました。
赤羽末吉氏は、どうしてこの場面を選び、表紙絵にしたのでしょう、この表紙絵から、なにを伝えたかったのでしょうか。
「氏の考えを聞いてみたかったな」なんて考えてしまうのは、先日、赤羽末吉・著「私の絵本ろん」を読んだ影響にまちがいないです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 赤羽末吉
感想投稿日 : 2020年8月12日
読了日 : 2020年8月9日
本棚登録日 : 2020年8月9日

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