政策科学の基礎とアプロ-チ (MINERVA TEXT LIBRARY 36)

制作 : 見上崇洋  佐藤満 
  • ミネルヴァ書房 (2009年4月1日発売)
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大学の教科書。複数の先生が節ごとに担当しており、とても読みにくかった。 政策科学という新しい分野について、その意義や基本となる考え方、既存の社会科学との関連についての説明がメイン。 特に、既存の社会科学分野との大きな違いとして、社会に大して有益な変化をもたらす過程を重視する点がある。 実際に地域行政へ参加しその経験を研究へフィードバックするなどの、実験科学的側面が興味深い。 [more] ・自然科学に対する「工学」と同様の関係が、社会科学に対する「政策科学」 ・「決め方」と「決まり方」が重要な研究対象 ・さらに、政策は実行されて初めて成果を挙げることができるのであり、この実施の過程も研究対象となっている ・決め方は、理性的活動で従来の社会科学分野はこの過程の研究が進んでいた 経済学、オペレーションズリサーチ、統計学など 公共政策学とか公共計画学、シミュレーション技術 ・決まり方は、政治的・組織的な活動で、政策科学での重要な研究分野 政治学、組織論、経営戦略 組織均衡、経路依存性、シングル・ループ学習、ダブル・ループ学習 ミドル・アップダウン・マネジメント 多元主義→集合行為の問題 ・シビル・ロー・エンジニアリング 法は公共政策の「プログラミング言語」 政策設計において法的な観点を持つことが重要 ・コミュニケーション行為 熟議民主主義、討議民主主義、討議指向の政治文化 この「決まり方」から実施にかけての概念の説明を読むと、ドラッカーの思想との強い関連性が伺える。 結局は人が動かなければ社会は変わらない。いかに人を望ましい方向に向けて動かすか、という点では政策科学もドラッカーも共通している。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス・経済
感想投稿日 : 2010年1月10日
読了日 : 2010年2月5日
本棚登録日 : 2010年1月10日

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