入荷先:町田市立中央図書館
神楽の作品を実際に読むのはこれで二度目となる。ハードボイルドのような展開が多い神楽にあって、本書は「淫靡なおとぎ話」と謳っている。
一読して、「淫靡」というのはオーバーだとしても(どこに淫靡さを読み取ればいいのであろうか)、両性具有とは異なる「後付のジェンダー構築」の暴力性をまざまざと思い知らされる。
甘ったるいという印象を持つ人もいるであろう。それは否定しないし、むしろその甘さは増幅されていると感じてもおかしくはあるまい(神楽がかんばって甘くした部分にみなみがイラストで止めを刺している)。ただあえて言わせてもらえば、主格カップルの対となって登場する「(攻めの)叔父」を精悍に描くことで、インターセックス(実際には男性器はついているが)の受けを際立たせている印象があることはいただけない。神楽はそのような記述をしていないだけに、みなみが「これはBLのセオリーにあわせなくては」と思ったのであろうか。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
借受:かながわ
- 感想投稿日 : 2011年1月1日
- 読了日 : 2010年12月31日
- 本棚登録日 : 2011年1月1日
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