ジョルジュ・サンドは男装の麗人と言われ、男の名前を名乗ったり男性的なイメージが強いけれど、本質はかなり女っぽいんじゃないかと思う。
確かに自身をモデルにしたと言われるヒロインのファデットは、身なりに構わず、木登りしたりするお転婆で、色が黒くて男の子のようだ。けれど女らしい一面も併せ持つ。
ファデットは普通の女の子と比べると理屈っぽいかもしれない。サンドの文章も説明的でくどい。そしてセリフが長い!橋田ドラマ並みのセリフの長さに…辟易
この話は出てくる人が比較的みないい人で、妬みややっかみの感情のぶつかりはあるものの、穏やかなストーリー展開。1つひっかかるのが双子の兄シルヴィネのキャラ。悪い子ではないけど、弟に過剰な思い入れがあって、何かとヤキモチを妬く。自分の思い通りにならないと熱を出して寝込む。どやしつけたいようなキャラなんだけど、最後は3人の中で一番成長する。というか、シルヴィネがいなければ、この物語は凡庸過ぎてつまらなかっただろう。
これは二月革命が起きた頃の作品で、サンドは前書きで、こんな不安定な時だからこそ、毒のない安心して読めるものを世に送り出したいと述べている。今のこの時期にも同じ事が言えそうに思う。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
フランスの小説
- 感想投稿日 : 2021年8月5日
- 読了日 : 2021年8月3日
- 本棚登録日 : 2021年8月3日
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