私だけ年を取っているみたいだ。 ヤングケアラーの再生日記

著者 :
  • 文藝春秋 (2022年10月21日発売)
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感想 : 42
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『感想』
〇図書館でたまたま目に入って借りたのだが、めちゃくちゃ考えさせられた。

〇夫婦は相手を、親は子を手放すことができるかもしれないが、子は親を手放せない。だから子は親にしがみつく。辛いことをされても我慢するし、どうやったら好かれるか・愛情をもらえるかを必死に考える。

〇子どもに我慢をさせ過ぎると、周りの気を遣うことばかりになり自分の感情が出せなくなってしまう。それは一見優しく感じるが、そうすることでしか自分の存在を保てないからではないだろうか。

〇子が周りの空気を読むことばかりに慣れると、周りからは便利屋にされてしまうかもしれない。また大人のようで、本当の愛情を知らない未熟な精神の人間にしか過ぎないのかもしれない。

〇子をヤングケアラーにさせてしまう周囲も大変なことは分かる。そして子どもがすることではないと分かっていても、愛情を求めて動いてくれる子にすがることで自分が助かる弱い心を持ってしまうことも分かる。でも子どもはどこに助けを求めればいいのだろう。

〇子どものころの経験が人格形成に強く表れるから、大人になったからって簡単に変われるわけではない。

〇せめて感じるストレスを少しでも晴らせる場所、自分の気持ちに共感してもらえる人が近くにいるといいな。

『フレーズ』
・愛を返せない人に愛情を求め続けるのはもうやめて。

・自分のことで泣けるようになってよかったじゃない。

・人とつながりたいけど、つながるのが怖い。

・私は人が喜ぶツボを知っているだけ。ほんとはぜんぜん優しくないよ。

・親が何か我慢していると子どもに影響が出るってこと忘れないでね。

・愛情は余裕から生まれる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史・科学
感想投稿日 : 2023年5月25日
読了日 : 2023年5月25日
本棚登録日 : 2023年5月25日

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コメント 1件

あまねってぃさんのコメント
2024/01/29

なるほど

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