『感想』
〇題に驚異のプレゼンとあるように、ジョブズのプレゼンの秘訣を勉強できると思ったのだが、著作権の関係かプレゼン画面はなく、それを文字化したものが載っている。本文には文章ではなく絵や写真を使ってアピールしろとあるのに、それをいう本がこれではがっかりする。
〇人々を惹きつける法則は確かにその通りだろうが、これはジョブズだから最大の効果を発揮できるだけで、一般的にはそこまでは難しい。それは個人の魅力の問題だけでなく、このプレゼン方法が許される環境であるかが問題である。自分としてはよくても組織を代表して発表する場合、組織が求めるプレゼン方法があるからね。相手の前に自分の組織を納得させられるかが一番の関門だから。
〇相手の質問をこちらの想定フィールドへと引っ張るバケツ方式はテクニックとしてよい。しかしこれは自然に持っていけるだけの力がないと、逆に相手に不満を感じさせてしまう。
〇最後は努力と個人の人間性かな。同じ資料を使って説明しても、話者が違うと受ける側の印象は確実に違う。心に響く説明って誰でもできるわけではない。
『フレーズ』
・スティーブ・ジョブズのプレゼンテーションは体験を生みだすことを目的に作られている。聞き手の心を動かし、沸き立たせ、やる気を起こさせる体験—「現実歪曲フィールド」を構築するのだ。(p.9)
・大好きなことを見つけてほしい。仕事というのは人生のかなり大きな部分を占めるわけだけど、本当に満足するには、すごい仕事だと信じることをするしか方法がない。そして、すごい仕事をするには、自分がすることを大好きになるしか方法がない。まだ見つからないなら、探し続けてほしい。あきらめちゃいけない。【スティーブ・ジョブズ】(p.65)
・大好きなこと、どうしてもやりたいと思うことが見つかれば、ああもう1日、それができると太陽が昇るのが待ち遠しくなりますよ。【クリス・ガードナー】(p.66)
・自分はおかしいんじゃないかと思う瞬間が人にはある。その異常こそ天賦の才の表れなんだ。そういう人のために僕らは製品を作っている。【スティーブ・ジョブズ】(p.67)
・リーダーが現状に満足することはない。よりよい未来が見えているだけに『今の姿』と『あり得る姿』のギャップにいてもたってもいられず、前へ前へと進んでしまうからだ。これを人はリーダーシップという。【マーカス・バッキンガム】(p.73)
・「退屈なものに脳は注意を払いません」と認知学の専門家、ジョン・メディナは言う。しかし、「心に訴えてくるもの」には注意を払う。(p.271)
・人は他人について評価を下しつづけるものだが、評価の大勢は最初の90秒で決まってしまう。(p.306)
- 感想投稿日 : 2022年7月3日
- 読了日 : 2022年7月29日
- 本棚登録日 : 2022年7月3日
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