夏至祭 (河出文庫 な 7-8 BUNGEI Collection)

著者 :
  • 河出書房新社 (1994年5月1日発売)
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本棚登録 : 887
感想 : 64
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長野まゆみさんの中編ファンタジー小説の佳品です。主人公の青年・月彦と母と祖母、近く取り壊される予定の空き家に住む二人の美少年、甘い食べ物が大好物の黒蜜糖と厳格な性格の銀色。祖父の形見の羅針盤付きの何故か夏になると止まる時計、夏至祭、路面電車、ストーリーはごく単純で短くあっさりとした話ですが、細部の情景がイマジネーションを刺激して鮮やかに脳裏に浮かび、ラストの優しく心に沁みるような真相が読後永遠に記憶に刻まれそうな気がしましたね。棠梨(ずみ)、睛(め・ひとみ)、楊桃(やまもも)等々の漢字も風情がありますね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年12月15日
読了日 : 2019年12月15日
本棚登録日 : 2019年12月15日

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