アガサ・クリスティー
名探偵ポアロシリーズ4「ビッグ4」
突然ポアロの家に倒れ込んできた謎の男が、ただただ「4..4..」と
呟くばかりの言葉をきっかけに、国際犯罪組織〈ビッグ4〉との
対決に挑むことになったポアロ。
「国際...」そして「ビッグ」。
とうとうポアロも世界を股にかけるほどの大きな事件に挑むことになったのね。
期待は大いに膨らみ、ページを捲る楽しさにわくわくします。
ところが...
読むとじんわりと漂ってくる、アガサ・クリスティー独特の空気感が
なんだかいつもと違うのです。
何だろう...
小さな章に区切られた一つ一つの話がうまく噛み合っていないような。
事件展開がなかなか先に進んでいかず、ストーリー全体に
膨らみがついていかないような....
もしかしてこれは短編が連作している...??
1/3ほど進んだところでようやくそう思い当たって
思考のスイッチを切り替えてみるとそこから先はサクサク。
読み終えた後、短編をまとめたものと解説で知って納得でした。
んん...ビッグ4...
ヘイスティングズとの再会は大いに喜ばしい事でしたけれど
最後は確かにあっけなさすぎでしたね...。
それでも
構想をあれこれ模索しながら筆を走らせていたのであろう
女流推理作家の横顔を想像する...というのもまた楽しいものでした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年10月6日
- 読了日 : 2017年9月5日
- 本棚登録日 : 2017年10月5日
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