この10巻に至る2~3巻は停滞気味かな~と思っていたが、10巻になり、一気に物語が加速した。夕士の英雄的行動、でもそれをたたえるのではなく、英雄的行動の対象となった長谷や周りの人々の苦悩にフォーカスを当てているのが新鮮で受け入れやすかった。そうだよなぁー、助けられた方が苦しい、ってこと、あるよなぁー、と。
そして、このシリーズを貫いてきた「人生は長く、世界は果てしなく広い。力を抜いていこう」のテーマは根底にありつつ、「運命はいつだって、ある日突然だ。俺はそれを受け入れよう」で締めくくり、多少ご都合主義的と思える(笑)登場人物たちのその後が描かれて、大団円。フールも戻ってきて...クリとシロも成仏し、生まれ変わり...何度も目頭が熱くなるような展開がちりばめられている。
解説の人が書いていた「夕士のように生きたかったんだ!」という感想に激しく肯定。本当にね。「自分の心を開き」「突然の運命を受け入れ」「前に進めば」夕士のような世界が広がるんだな、と信じられる読後感だった。
番外編のラスベガス編を読むのも楽しみ♪
読書状況:読み終わった
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★私の読書
- 感想投稿日 : 2016年3月31日
- 読了日 : 2016年3月31日
- 本棚登録日 : 2016年3月17日
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