天才産婦人科医による、法の網をかいくぐる生殖医療、あるいはもはや生殖産業か。
生命倫理を考えるととんでもない医療技術なのだろうけれど、あくなき探究心で次々に新しい研究を進めていくのはとてもエキサイティングなのだと思う。医学の進歩には、過去に多くの黒歴史があり、その上に現代医学が成り立っていると考えれば、この小説のようにエンブリオを利用した技術がすでにどこかで開発されていたとしても決して不思議ではない。
倫理、善悪を抜きにするならば、興奮でぞくぞくしてしまうほどの研究の数々。なじみのない生殖医療の用語もわかりやすく、読みやすい。
下巻はどのような展開になるのか楽しみ。天才医・岸川がドナーになり続ける心の闇が解かれることに期待。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本文学その他
- 感想投稿日 : 2012年6月18日
- 読了日 : 2012年6月18日
- 本棚登録日 : 2012年6月18日
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