美味しいオムレツやコンソメなど、何気ないけれど心温まる、誰かといきたくなる、赤い庇のレストラン「ハライ」。その「ハライ」に予約をいれた6組の客それぞれのエピソードが描かれている。みんな、誰かを待ち、誰かに会いたくて、あるいはいるべき人がいなくて、「誰かが足りない」人たちばかり。
それぞれのエピソードはしっとりと沁みてきて、この先に「ハライ」の明るい灯や心温まる料理があるからきっと大丈夫だよ、という気持ちになるけれど、「誰かが足りない」というフレーズそのものがなかなかしっくりこなくて、わたしの中では「来る人も来ない人も待っている」というニュアンスで置き換えていた。足りない、というマイナス感よりは、たとえ来ない人を待っていても、このレストランはきっと居心地よく心もお腹も満たしてくれると思うプラス感の方がしっくりするから。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本文学その他
- 感想投稿日 : 2018年1月10日
- 読了日 : 2018年1月10日
- 本棚登録日 : 2018年1月10日
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