神の民俗誌 (岩波新書 黄版 97)

著者 :
  • 岩波書店 (1979年9月20日発売)
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本棚登録 : 89
感想 : 10
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筑波大学名誉教授、宮田登 著。
筑波大学の授業科目「日本の宗教と芸能演習」の教科書。
キーワードと各論をひと続きに辿る。

民俗学の基本事項がまとまっており一冊で入門にも適している。各地の具体例が数多く紹介され非常におもしろい。
私の地元にも白山神社とその近くに部落があり、興味があって本書を手に取った。何かわかったかというと微妙だが、持つべき観点というかヒントは散りばめられていた。本書のどの章もそうだが、広く取材してはいるが深入りはされていない。民俗学のトンデモ説も紹介され学者はこうも想像力豊か(皮肉)なのかと疑ってしまうが、それを批判するわけでもなく、賛同するわけでもなく、結論は出さないように見受けられる。総じて、初学者に考えさせる話題提供の感がある。
頭から読むと引き込まれる構成になっている。章ごとにテーマは異なるが、つまみ食いせず、順番に読むと本書の良さを感じる。

目次
0.はじめに
1.誕生の民俗―出産とウブ神
2.山の神―女の力
3.ハレとケ、ケガレ―日本人の「穢れ」観
4.神々と厄年
5.シラヤマ神―死と再生
6.和合の神―ケの維持のために
7.おわりに

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 大学指定教科書
感想投稿日 : 2019年6月9日
読了日 : 2019年6月9日
本棚登録日 : 2019年6月9日

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