情報環世界――身体とAIの間であそぶガイドブック

  • NTT出版 (2019年4月30日発売)
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ユクスキュルの環世界を、現代的に解釈する試み。

様々な立場からの解釈は、納得する部分が多く、好奇心を刺激された。

環世界とは、生物全てが、それぞれ閉じられた世界で暮らしているということ。
虫が特定の色しか見分けられないなど。

人間は、ほかの生物と違い、環世界を移動することができる「環世界間移動能力」がある。これがまさに思考するということ。

例えば、盲導犬は、犬が人間の環世界を理解するということだから、どんなにすごいことか。

現代においては、スマホに没入することは、新たな環世界の獲得と言える。

人間の環世界には、意識と無意識の環世界がある。ほかの生物はほとんど無意識の環世界に生きているが、人間には意識の環世界があるから、移動できるのかもしれない。

そして、無意識の環世界が、テクノロジーの進歩によって意識できるようになってきている。
触覚さえコンピュータ上で表現できるのだから。

そうなると、さらに人間の思考は深まるのか。
興味は尽きない。

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感想投稿日 : 2020年6月14日
読了日 : 2021年4月18日
本棚登録日 : 2020年5月3日

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