一つ屋根の下の探偵たち (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2017年9月13日発売)
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本棚登録 : 91
感想 : 10
3

冴えた、発想力や推理の派手さが目立つ近年良く見る有能な探偵を先に出し、その後もこれでもかと地道な探偵をふわふわと浮き沈みさせ、浅間と一緒になってハラハラ眺めて応援しちゃう作りになっており、最後はどんでん返し!と言っても発想の転換と地道な捜査で集まった情報でころっとすんなり解けちゃった…という本来の探偵というものが勝利する形は、近年の探偵ものでは珍しいなと感じ、面白さがありました。(他作品のやつになりますが眼鏡の少年ではなく、おっちゃんが頑張る回みたいなやつです)

文章に関しては浅間が途中原稿を埋められない!と嘆いたように、文字数を埋めたいだけの文章感が抜けず、読んでいてダレてしまいました。星4にしたい所なのですが、その点で3にしました。
ただ、最後の町井の自分がどれだけ無能なのかを一心不乱に喋っている所。ここが凄く良かったです。ここまで頑張っていたのにポキリと心が折れた時の彼のキャラクターは素敵で、空想的仮説推理を長々と読むより、こういったキャラクター性を絡めた会話がもう少しあれば楽しめたのになあと思いました。(浅間に引きずられていく町井も良かった。)沢山の仮説を長々と説いてしまうのが天火とマイのキャラクターなんでしょうけども、ツッコミが不在で止まらなくなってるのでしょうね…。浅間には頑張って欲しいです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年9月1日
読了日 : 2021年9月1日
本棚登録日 : 2021年9月1日

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