櫂 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1996年10月30日発売)
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本棚登録 : 670
感想 : 65
5

2023/7/17 読み終わった
天璋院篤姫を読んでいたく感動し、宮尾登美子さんイヤーを開催したので。でも実はそれは去年のことで、この本は一度、20ページくらい読んで挫折していた。リベンジ。
読み終わり、なんとも言えない、もどかしい気持ちになった。えっここで終わるの?寂しすぎる…。篤姫もそうだけど、自分の中に強い芯を持ちながら、時代や環境の変化に抗えず、竿を刺すも流される、そんな女性を描いた作品だった。

宮尾さんの描く女性は、強いけど弱い。そういう印象。また、そんな周りの変化に対して付いて行けずか付いて行かずか、自分の考えをあくまで押し通す主人公の言動は俺からしたら「それはただの我儘だな」と思うことも少なくない。そういう意味で、ただ高潔で誇り高い人物というわけではなく、悪く言えばそこら辺にいそうな、よく言えば等身大の、まさに人間を描いている、宮尾さんの視点にはグッとくるものがある。

本編を読み終わって、気持ちを整理しながら解説を読んでいたら「本作は四部作の第一作目である」との記述。まじ…?全部読まなきゃじゃんそんなの。

宮尾登美子イヤーは続く。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年8月12日
読了日 : 2023年7月17日
本棚登録日 : 2023年8月12日

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