本屋に積んであった本書を見付ける。英語タイトル「Does She Walk Alone」に魅かれて購入。当然、「すべてはFになる」から百年女王に繋がる長い物語の秘密を期待して。
P.k.ディックの「アンドロイドは電子羊の夢を見るか」が巻頭や各章の頭に引用されているが、この本にでてくるウォーカロンはレプリカントに似て、極めて人間に近い人工的に造られた人間。人はなかなか死ななくなっているが、子供は生まれなくなり、結婚や家庭もないような社会。いつのまにかウォーカロンが増えている。
主人公のハギリが研究に没頭する描写が如何にも森先生。襲撃や登場人物からもたらせるドキドキの情報や事件も次々あるけれど、淡々として冷えた文体がファンとしては気持ちいい。
現在の技術が進めば、ウォーカロンは兎も角、この小説に近い社会が到来するだろう。生命に意味はあるのか。培養や養殖ではいけないのか。真賀田四季なら意味はないというだろうな。それを僕は否定できるだろうか。続篇も読むしかないよね。
百年女王のウォーカロンはこんなに人間ぽくなくってロボットに近い存在ではなかったと思う。ちょっと、考えちゃったな。
読後思ったけど、一人歩く彼女って彼女のことだよね。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年12月27日
- 読了日 : 2015年12月27日
- 本棚登録日 : 2015年12月27日
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