武士道 (岩波文庫 青118-1)

制作 : 矢内原忠雄訳 
  • 岩波書店 (1938年10月15日発売)
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本書は日本人が失いつつある、しかし日本人の意識の根底に今でもある武士道について、新渡戸稲造博士が英語で叙述したものを矢内原忠雄氏が邦訳したものである。「武士道」はしたがって元の著作は英語であり複数の邦訳が存在する。けれども、おそらくこの岩波文庫版が最も読まれているものだとおもう。
「武士道」は欧米の知識人に向かって書かれたから、その内容も自ずと格式高い。しかし、博士は古今東西の偉人哲人の著作を巧みに引用しつつ我が国の精神思想の特異さを際だたせることに成功している。キリスト教のような万人が信仰する宗教がない我が国の高い精神性はどのようにして産まれたのか、またどのようにして発展していき高められたのか、この小著は雄渾な叙述で解き明かす。
読んだその日から自分の生き方に凛としたものが纏うだろうこと疑いない。読んでみて後悔のない一冊だろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 自己啓発
感想投稿日 : 2012年1月22日
読了日 : 2012年1月22日
本棚登録日 : 2012年1月18日

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