『流浪の月』『汝、星のごとく』に続き3作目の凪良ゆうさんの作品でした。
読んだ2作が好きだったので前から気になっていたもののなんだか手が出せずにいましたが、本屋大賞受賞と映画化のタイミングが重なり読んでみた次第です。
BL作品ということで、自分は今年33歳独身のヘテロセクシャルの男性なのでたのしめるのだろうかと半信半疑でページをめくると、まーあ、おもしろかったです。いやいや。
なんか、やはり性別のことは関係なかったです。単純に凪良ゆうさんの文章が好きだし、成熟した世界観が好きだし、構成のうまさが好きだし、初期の頃からやっぱりすごい力量のある書き手だったんだなあと、改めて思いました。
ここから、流浪とか汝にたどり着くというのも一人の作家の才能が開花していくストーリーとして大変興味深くおもしろいですし、凪良ゆうさんが人気なのがよくわかりました。
あとがきで「気持ち悪い攻めが好き」と嗜好を書かれていましたが、そのテーマをこれだけピュアに描ききれるのが最高です。
気持ち悪さへの愛を感じますが、読みながら自分自身の気持ち悪さも受け止めてもらえるような気がして感動しました。青春のキラキラとした貪欲なエネルギーに触れられたのも今の自分にとっては貴重な栄養でした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年4月13日
- 読了日 : 2023年4月13日
- 本棚登録日 : 2023年4月11日
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