斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1992年7月3日発売)
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本棚登録 : 3050
感想 : 310
3

館モノ。
『占星術殺人事件』の衝撃を受けたすぐあとに読んだので、図面と登場人物一覧がある時点で「島田荘司も館モノだとオーソドックスな構成になるんだなぁ…」と思ってしまった。(読書歴が浅いためこのパターンがどのあたりに端を発してるのかは知らない)
もちろん、図面がないと全く理解できないからありがたいんだけど。
内容も、数多い館モノから一歩抜きん出ている、とまでは感じなかった。
トリック(というか殺人の方法)も、氷柱使ったのかなって察しがついたし、浜本が暖房を強くしたりして充分怪しかったし。
でも斜め屋敷が何故斜めなのかが明らかになったのはスッキリ。
島田荘司の伏線を全部回収してくれるところは好き。
バカミス扱いされてるけど、私は方法に関してはそう思わなかった。動機の方は「そんなの分かるわけないじゃん!」と突っ込み入れたけど。

主人公の御手洗が半分以上進んでも出てこなくてヤキモキした(笑)。
出てきたら、輪をかけた狂人ぶりで嬉しくなった。
前作よりもホームズ感が強かった。石岡くんによる地の語りの文もそれっぽかったし。御手洗は脳内でベネ様のシャーロックに置き換えられてた(笑)。まさに和製ホームズ。御手洗のキャラは好き。
あと、前作に登場した京都の人形師さんがこちらでも暗躍してて、同じ世界観で展開されてる物語が嬉しかった。

花壇の謎は、正直蛇足だったと思う。鞘絵を知っていたので図を見てすぐ何だか分かっちゃったし。まぁ、塔が傾いてる理由にはなってるけど。

全体的なノリがライトだった。うん、緊張感に欠けてた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 島田荘司
感想投稿日 : 2017年10月17日
読了日 : 2017年10月16日
本棚登録日 : 2017年10月16日

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