物語が昭和16年5月から始まるのに気付いて、あぁ、戦争の話か。この分厚い本、ずっと戦争の話だと読むのが辛いなと思った。予想通り戦争の話なのだけれど、戦争の話だけではない。主人公の少年の目を通してみる戦時中の生活は、不自由な中にも、心の余裕がある。時流に流されず、冷静に世の行末を予想する大人たちがいる。前半では、主人公の祖母、後半では佐脇さんという老人の存在が大きい。彼らに見守られて、ぼんぼんとして生きていくことができたのだと思う。終戦の時に小学校6年生ということは、私の両親と同年代でもある。四部作とのことだが、この後、彼らがどうなっていくのか、知るのが怖い気もするので、続けて読むかどうかわからない。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年10月13日
- 読了日 : 2020年10月13日
- 本棚登録日 : 2020年10月13日
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